SLOW DAYBOOK
“ただ今から、総攻撃をおこなう!”その馬鹿げた響きを思い出して笑った。もう15年以上前の事だ。馬鹿げた話を友人としていて、その事をふいに思い出した。僕は東京大学の構内にある建物にその頃、勝手に住んでいた。勝手に住んでいたといっても、ちゃんと学生からは了解を得ていた。僕はその古い建物を気に入っていた。時が重ねた品のようなものがあったからだ。純粋に蔦に覆われたその建物は美しかった。朝、目覚めると何やら騒...
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気付いたら僕は病院のベットで横になっていた。そうか、救急車で運ばれて…そうなったのは…あの野郎!20人以上のガードマンがじゃぶじゃぶ、僕にのかって来て気絶したんだった。精密検査を受けた後、もう日が暮れた自分の住む部屋のある東京大学構内へ帰った。昨日からろくに寝ていなかった僕はとにかく自分の部屋で眠りたかった。拡声器から流れる聞き慣れた声が聞こえて来る。英治だ。その当時28歳すぎだった英治は僕のルーム...
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